赤磐市石上の石上布都魂神社にて、参道石段の補修をさせていただきました
岡山市をはじめ、赤磐市、和気町、久米南町など、岡山一円にてご対応をさせていただいております、塚本石材の塚本です。赤磐市石上にある石上布都魂神社様にて、石段の補修をさせていただきましたのでご紹介いたします。
赤磐市石上 石上布都魂(いそのかみふつみたま)神社 本宮様 参道石段補修
今回の作業をご依頼いただいた赤磐市石上にある石上布都魂(ふつみたま)神社は、日本書記や有名な奈良の石上神宮社伝にも記されている、神話とも所縁の深い、とても古い由緒のある神社です。個人的にも崇敬している神社で、何かとご縁を頂いております。
神社復興350年の記念事業として大鳥居の建立に携わらせて頂くことになり、令和元年に鳥居と社標を建立させていただいた時のお写真です。今回は、参道の石段を修理したいというご相談をいただきました。
こちらは、本宮様の手前にある石段です。石上布都魂神社は、さきほどの鳥居がある県道沿いの駐車場から山の方へ入るとその少し先にも駐車場がありますが、そこからは徒歩で山を登って行くことになり、本宮様は社殿をさらに奥に 奥の山の一番上まで登ったところにあります。石段の中にはかなり昔からのものもあり、雨が降るとグラついたりして危険ではという声があったそうです。石を入れ替えたり並べ替えたりすることで、安全に登れるようにしたいとご相談をいただきました。
石段の所々には、これまでにも補修をしたらしい箇所がぽつぽつ見られました。コンクリートブロックで補修しているところもあります。
崩れてグラついている箇所もありました。とりあえず応急処置で宮司様が木のくさびを打たれていました。
石段の問題個所を確認し、宮司様とお打ち合わせの上、補修に取り掛かりました。今ある石で使えるものは据え直すなどして、ブロックで作られている箇所など、必要な場所には新しい石を加工して交換する形で工事を行います。
工場での加工の様子です。寸法を合わせて作成した石の表面を、ノミとセットウ等で叩いて荒取り風の斜めの溝を付けていきます。もともと石段に使われている石の表面と同じような風合いになるようにするためです。機械でカットではその風合いは出せないので、手作業で行いました。
ひとつひとつ高さを合わせて、石を設置しています。緑色のものは「タコ」と呼ばれる道具です。車もキャタピラも入らない場所なので、すべて人力での作業です。しっかり締め固めます。
工場で加工した石などは、ひとつひとつ背負子(しょいこ)で担いで運びました。石段は通常なら一本の石で作ることもできますが、それでは重すぎてここまで持ってくることは到底できないので、二つか三つに分けて(40~50Kg)作成しています。そして多くの部材をこちらの宮司様が親切にもご自分で担いで持ってきてくださいました^^
ありがとうございました。(というか、鍛えられたその体力に感動しました!)
ちなみに、修験者如くに重い石材を担いで 行程15分程度の少々険しい参道を登った先にある本宮様のお膝元 頂上付近から見える景色は格別です。
据え直したり交換したりした石を仮にセメントで据えて、そのあと隙間などもきれいにセメントで埋めて完成です! この先、100年、200年と残るような石段になるよう、心を込めて丁寧に仕上げました。
上から見るとこのような仕上がりです。おそらく100年は昔に作られた石段と、どうでしょう?可能な限り近い風合いに仕上がっていますかね。昔の職人さんが平面を出すために粗削りした後の斜めの削り跡をあえて模様として考えて、こんな風合いで仕上げました。
作業を終えて、長い急な階段をスタッフが下りていっています。無事に工事を終えられたことに安心しました。
この石段のすぐ先に本宮様があります。神聖な空気を感じる場所です。安全に登っていただけるようになり、宮司様にも安心して頂けたと思います。崇敬している神社様で石材に関わるお仕事をさせていただけることは、石屋として大変光栄なことだと感じております。誠にありがたいことです。私たちに何かお役に立てることがございましたら、とても喜ばしい事だと思います。
皆様も 岡山県赤磐市方面にお越しの際は、ぜひぜひ上記の大鳥居を目印に「備前の国 一宮・石上布都魂神社」へお越しくださいませ。
宮司様をはじめ、とても楽しく親切な方々がお迎えくださいますよ。神聖な空気と共に。
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